Googleによって開発されたGoogle Chatは、個人にも法人にも人気のメッセージプラットフォームとなっています。しかし、人気が高まるにつれ、Google Chatは安全なのか？という疑問の声も上がっています。ここでは、その疑問にお答えします。

このポストでは、基本情報からセキュリティ対策、使用上の懸念まで、Google Chatについてしっかりと分析します。

Google Chatは何のために使われる？

Google Chatの基本情報からご紹介しましょう。以前はGoogle Hangoutsとして知られていたGoogle Chatは、Google のGoogle Workspaceの一つのメッセージサービスです。ユーザーは個人チャットやグループチャットでメッセージを送ったりファイルを共有したりすることができます。

Google Chatは個人間の使用だけでなく、職場や学校でも使われています。Google Meetを経由したビデオ通話機能により、チームでの共同作業に役立つツールにもなっています。雇用主や教師はGoogle Chatを使ってスペースでコミュニケーションをとったり、資料を共有したり、タスクを割り当てたりすることができます。

これらの機能を持つGoogle Chatは、特に職場や学校でのコミュニケーションや共同作業をより良いものにしてくれる存在だということが分かります。しかし、疑問は残ります。Google Chatはどれぐらい安全なのでしょうか？

Google Chatのセキュリティ機能

Google Chatがどれぐらい安全なのか知るためにはまず、プライバシーポリシーと、Google Chatが誇るセキュリティ機能を理解することです。一つずつ見ていきましょう：

データの暗号化

エンドツーエンドの暗号化の代わりに、Google Chatではトランスポート・レイヤー・セキュリティ（TSL）を使用して、送信中および送信済のテキストメッセージを暗号化します。SSLからアップデートされたTSLは、インターネット上での不正アクセスを防止するための標準インターネットプロトコルです。

プライバシーポリシーによると、Google Chatは名前、電話番号、位置情報、メッセージ内容などのユーザーデータを収集します。収集する個人情報について、Googleはユーザーの許可があった場合、または法律によって求められた場合にのみアクセスするとのことです。また、ユーザーのデータを広告のために使用することはないとの記載があります。

情報漏洩対策（DLP）

Google Chatでは、メッセージや添付ファイル内の個人情報漏洩を防ぐために2022年からDLPが使われています。管理者が作成したDLPルールによって保護すべき機密性の高いコンテンツ（クレジットカード番号やID番号など）が定義され、ルール違反への対策が設定されます。

ユーザーがメッセージを送信したり、添付ファイルをアップロードしたりすると、DLPは自動的にコンテンツをスキャンします。コンテンツがDLPルールに違反した場合、ブロックなどの管理者が設定したアクションが即座に実行されます。

フィッシングの検出と保護

ユーザーがファイルやメッセージをアップロードまたは受信すると、Google Chatは自動的にコンテンツをスキャンしてウイルスを検出します。マルウェアやフィッシング、スパムがスキャンされると、ユーザーへ通知が届いたり、ファイルがダウンロードできなくなったりします。これによって、会話の安全性が保たれます。

二段階認証

Google Chatには、ユーザーアカウントのセキュリティと安全性を向上させるための二要素認証の機能もあり、アカウントをハッキングや乗っ取りから守るために安全性が強化されています。二要素認証を有効にすると、ユーザーはパスワードの他にワンタイムパスコードなど、二つの認証段階を経る必要があります。

児童性的虐待に関する保護

Google Chatは多くの学校で広く使用されているため、Google ChatはGoogleと同様に児童を搾取したり虐待したりするようなコンテンを許可していません。教師や保護者にとっての安心材料です。

Google Chatの危険性

ここまでで、Google Chatの安全性についてお分かりいただけたことでしょう。しかし、どんなプラットフォームも100％安全ということはなく、Google Chatも例外ではありません。Google Chatの使用に伴う危険には以下のようなものがあります：

NSFWコンテンツ

NSFWとは、Not Safe for Workの略で、一般的に暴力や攻撃的な言葉、性的な内容を含むコンテンツを指します。

名前の通り、このタイプのコンテンツは職場や学校、公共の場で閲覧するのにふさわしくありません。チームでのコミュニケーションや共同作業のためのツールとして、これはGoogle Chatを使用する上での主なリスクの一つです。

Google Chatは性的虐待に繋がり得るコンテンツに対する措置を講じていますが、不適切なコンテンツはそれでもメッセージやリンク、ファイル、さらにはGIFを通して拡散され、アクセスされる可能性があります。以下はGoogle ChatのGIFギャラリーで見つけたものです：

Google Chat上の詐欺

1億以上のユーザーがいるGoogle Chatは、詐欺師の巣窟ともなり得ます。Googleアカウントさえ分かれば、詐欺師はチャットを開始し、詐欺を仕掛けることができます。一般的に、詐欺師は以下のような手口で無防備なユーザーを騙します：

• 偽の求人: 詐欺師はよく架空の求人情報を送って、ユーザーから個人情報やお金に関する情報を騙し得ようとします。
• 身に覚えのない賞品や宝くじ: 突然豪華な賞品や宝くじが当たったというメッセージを受け取ったことはありませんか？そんなの信じられるでしょうか？詐欺師はこのような手口で個人情報を聞き出したり、手数料を請求したりします。
• アカウント回復のサポート: 詐欺師はGoogleになりすまして、お使いのアカウントがセキュリティの脅威にさらされていると言ってくることもあります。問題解決のため、リンクをクリックしたりパスワードを入力したりするよう急かしてきます。
• なりすまし詐欺: アカウントをハッキングし、友人や同僚のふりをして信用させる手口もあります。そして、お金を騙し取るのです。
• 投資詐欺: リスクの高い投資で大きなリターンを約束する詐欺師もいますが、その大半は偽の投資で、被害者はお金を失うことになります。

ハッカーとマルウェア

セキュリティ違反があった場合、ハッカーによる攻撃の心配がないサイトやプラットフォームはありません。ハッカーはマルウェアやデータ侵害、パスワード予測を使ってユーザーの Google Chatアカウントを盗もうとします。アカウントを盗むことによって、詐欺師は個人情報やアカウントに紐づいたGoogleの他のサービスにもアクセスしたり、ユーザーになりすまして他の人を騙したりすることができるようになるのです。

Google Chatを安全に使うためのヒント

以下のようないくつかの重要な安全対策を行うことで、Google Chatを使用する上での安全性とセキュリティが大幅に向上します：

Google Chatを常に最新の状態にする: ソフトウェアのアップデートには通常、脆弱性を解決するためのセキュリティパッチが含まれています。Google ChatやGoogle Chatへログインするために使用したブラウザを定期的にアップデートして、保護機能を常に最新の状態にすることをお勧めします。

二段階認証を有効にする: 二要素認証とも呼ばれる二段階認証は、Google Chatやその他のGoogleのサービスを含むGoogleアカウントのセキュリティを強化します。

リンクをクリックしない: Google Chatのメッセージ、特にメッセージリクエストで受け取ったリンクには注意してください。クリックする前にリンクにカーソルを合わせて、URLのプレビューを表示することをお勧めします。不審なリンクはクリックしないようにしましょう。

共有する内容に注意する: Google Chatで個人情報を共有する場合は常に注意してください。共有相手の身元と意図が確かでない場合は、ID番号や認証コードなどの機密性の高い情報をオンラインで共有することは避けましょう。

不審なアクティビティを報告する: フィッシングの試みや不適切なコンテンツ、スパムメッセージなどの不審なアクティビティに気づいた場合は、そのアカウントを直ちにGoogleに報告してください。